すぐやるか、やるか、やらないか
台湾行きを決めました、と知人や友人らに報告すると、必ずと言っていいほど3つの質問を投げかけられる。
「どうして台湾なの?」
「台湾で何をするの?」
「いつまでいるの?」
どうやら、海外行きを決めた人へ対する周囲の関心は動機・理由・期間に向けられることが大半のようだ。
その時決まって私が答える定型文は、こんな感じだ。
「台湾って住みやすいと思ったの。食べ物は美味しいし、安いし、暖かい気候だし。人も優しいから安心できるんだ。」
「台湾では中国語を勉強するよ。高校で2年間学んだから初めてってことはないんだけど、繁体字はまだ学んだことないんだ。将来にいかせたらいいと思ってる。」
「台湾にはとりあえず半年居るつもり。ちょっと合わないなと思ったら日本に戻るし、もっといたいと思ったら残るすべをどうにか見つけるよ。」
正直、言語化して相手からの質問に答えるのは簡単ではない。台湾に行くと決めたことに、明確で確固たる動機や理由があるというと、実はそうではない。
しっかりと理由や目標を持つことは大切だと思うが、私は仕事で赴任するわけではない。
泳げないけどちょっと海行ってサーフィンくるわ、みたいなノリでは決してないが、やってみたこともないのに最初からできない理由を挙げて、やらないという選択をしたくなかったのだ。
つまり何が言いたいかと言うと、台湾行きを説明するための確固たる答えはないが、ただ私は自分自信を試したい。
異国で暮らし、苦労し、辛くて投げ出したくて、逃げたくて寂しくて悔しくても、人に出会い、お互いについて話し、食事を共にし、笑い合い、助け、助けられ、与え合い、励まし合い、感謝を忘れない人間でいられるか試したい。
そして、現地でチャンスに巡りあい、またはチャンスを掴み、仕事ができたら、とも考える。(実際、学生ビザで行くので就労はできないのだが。)
自分の中の好奇心や関心事や、挑戦心を止めたくない。
先日、汐留のシンガポール料理屋で大学時代の先輩と久々にお会いした。
チキンライスを食べながら、先輩は私に
「台湾から日本へ帰ってきた時、なぜ台湾に行ったのか10文字で説明できるといいね」
と、アドバイスをくださった。
便宜上、他人から質問された時、その場で相手を納得させるために、簡潔でいいから答えを用意しておいた方が楽だと。
これにはなるほどと思った。
今、10文字で台湾行きを説明するなら、私は「自分を試すため」と答えようと思う。
いよいよ9月。
人生の物語新章「台湾編」が、まもなく始まる。