先が見えない、そして恋しく思う
日本に帰ってきて数日が経った。
日本に慣れるのに時間はかからない。もう十分に慣れてきた。
けれども今の日本は以前の日本とは全く違う。
今、日本はコロナウイルスと政府の頼りなさによって混乱しているし、絶望しているし、どうしようもないとも思える。
外を歩く人間の数は減った。
感染者数の数字は増えてばかりで、先の見えない不安が襲う。
ハッピーなニュースなどない。
デマにも便乗詐欺にもうんざりするし、もうひたすらに、どんよりとした気分になる。
ついこの前、台湾にいた時にはここまで重たい気持ちにならなかった。
人々は皆、マスクを買うためにきちんと列をなして、決まりを守っていた。
トイレットペーパーがなくなるなんてこともなかった。
的確で素早い判断のできる蔡英文総統に対する支持率は向上したし、IT大臣の唐鳳氏はマスク在庫や販売店舗を確認できるシステムを開発した。ウイルスに対する国民の意識も高かったように思う。
日本は寂れている気がする。
台湾は生き生きしていた。というか、台湾にいた頃の私が生き生きしてた。
台湾が恋しい。
日本で生きていくビジョンが、今はよく見えない。
もやもやする気持ちの原因はこれ。
社会が暗く見える。たとえ明るくしようとしても、コロナの自粛ムードがそれを許そうとしないようにも思える。
弱音が出る。
先が見えない。私も日本も世界も。
そして恋しく思う。台湾と台湾の人々を。