ふらっと北投に行った話
そうだ、北投に行こう。気の向くまま歩いてみよう。
天気は晴れ。雨の心配はない。荷物は少なく、でも読みたかった本は持って行こう。
台北駅から、MRTの赤いラインに乗って20分くらい。なんだ、こんなに近かったんだ。
温泉街として知られている北投。駅を降りて街に出ると、時間がゆったり流れているように感じた。
市内でよく見かけるLOUISA COFFEEの看板が漢字で書いてあったので、思わず立ち止まる。私は漢字の表記の方が好きだな。
台湾に欠かせない朝ごはん屋さんと飲料店が並んでいて、いつか懐かしむために写真におさめた。
小道に入ったら、市場にたどり着いたみたいだ。
もうすぐ春節。赤と金の縁起の良さが溢れた一角を無視して通り過ぎることなんてできない。
溢れんばかりの果物たち。窮屈そうにしながら、食べられるのを待っている。
市場から少し歩いたんだ。10分くらいだったかな、もっと長かったか。忘れたけど、行ってみたい場所があったから、Google mapにつられてみたら、着いたみたい。
北投図書館。美しい建物だと、前台湾人の友人に教えてもらった。
なんだろう。落ち着く旅館に行った気持ちがした。電燈のオレンジ、木を基調とした館内、本を読む人、パソコンで作業する人、眠る人...
風通しのいいテラスもあった。テラスでも本は読めるけど、この日は少し暑かったから館内にいた方が良いかも。
図書館の隣には、温泉博物館がある。入場無料。入り口で靴を脱いで上がる。
ここは昔、大浴場だった。
時代を感じるポスターって、味がありすぎて見てしまうよね。好き。
日本統治時代に、北投は温泉街として非常に栄えた。けれども、世は諸行無常で、次第に客は途絶え、閑古鳥がなき、この街は人々に忘れられて行った。
けれども、今また多くの人に愛される街になっている。北投を愛する人々が、北投のために知恵とお金を出し合って、北投の自然、街並みの美しさを多くの人に伝え、結果街は賑わいを取り戻した。
初めて来たのに、懐かしい。日本の温泉街を思い出した。
自然から湧き出る温泉に浸かりたい。温かい水に浸かるだけで、なぜ気持ちがよくなるんだろう。